株式会社ヨシダや 代表取締役 吉田 博俊氏

 

街の文具屋さんから、地元企業に欠かせない存在へ

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ー貴社の概要をお教えください。

 

弊社は創業42年目になります。

初めは文具店で、官公庁を中心に取引をさせていただいていました。私は大学進学で福岡に出てそのままOA機器メーカーのリコーに就職、宮崎へは20年前に戻って来ました。

そこから自分が学んだOA機器の販売代理店の方へ事業をシフトしていきました。もう1つの柱はオフィス家具関係ですね。設計事務所とタイアップでレイアウト提案などもさせていただいています。当然文具も扱ってはいますが、この2つが現在のメインの事業です。

 

 

OA機器の事業に注力して行こうという話になり、反発はありませんでしたか?

 

メイン商品を変えるところからだったので、当然ありました。先代社長とぶつかったりということもありました。当時福岡でも同業の販売店を見ていたら、伸びているところ、そのままのところがあって。ちょうどパソコンが普及し出したくらいだったので、差がついて行くとしたらそこしかないだろうなと。

 

ー現在注力されている事業を教えてください。

 

少し前から働き方改革という言葉をよく聞くようになりましたよね。メーカーもそれに対して色々な商材・サービスを打ち出しています。今一番引き合いがあるのは勤怠管理システムですね。手書きのタイムカードで管理しているところもまだたくさんありますが、それだともし問題が起きた時に、企業側が不利になってしまいます。タイムレコーダーも、ICカードや社員証などで勤怠管理がすぐにできるようになっているので、そういったシステムをご提案したり。大手メーカーのコクヨは、事務所の家具の配置、導線レイアウトを変えることで作業効率を上げることを提案しています。弊社も既存の商品を新しい切り口で提案していくことに力を入れていますね。

 

 

地元企業にとっての、縁の下の力持ちに

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—地域創生、地域貢献というところで何か取り組まれていることはありますか?

 

宮崎の企業の為に役に立つ商品、サービスを提供できれば、必然的にお客様の経費削減や業務の効率化に繋がり、会社もより良いものになって行くと考えています。またスタッフへは、商工会や青年部、地元の消防団などにも積極的に入るように伝えています。地域のためでもありますが、異業種交流もできてスタッフにもいい刺激になると思うので。

 

働き方改革についてどういったお考えをお持ちですか?

企業によって内容も対策も違うでしょうが、基本的には長時間労働の是正ですよね。 今からは人口が少なくなって行くわけだし、人間がやるべきこととコンピューターがやるべきことが分かれて行く。その流れもあって、ということもあるでしょう。

 

ーWEB/ITに強い人が残って行くのでしょうか?

 

今時の人は若い時からずっとWEB/ITが身近にあったいわゆるネイティブの人たちです。疎い人ってもうそんなにいないと思う。私たちがOA機器の取り扱いを始めた20年前なんかは、もう大変でした。1台販売すると問い合わせの電話が鳴り止まないくらいでしたから。

 

ー宮崎と福岡で、働きかたの違いはありますか?

 

宮崎は残業に対する意識がまだあまりない気がしています。(働き方改革というのは)大都市の大企業を想定した施策だと思いますが、中小企業でも基盤の部分をしっかりやっていかないと、もう人材も定着しません。労務士さんに聞くと、今は給料より、休みや残業がないこと、突発的な出勤に振り回されないことを重視される方が多いようですからね。

 

ー人材が会社を選ぶという時代になって来ているんですかね。

やはりみんないい人材が欲しいから。お客さんからもすごく聞かれますよ。誰かいい人おらんかね?って。企業側で、できる限りの準備はしておかないといけないですよね。そういった観点からも、弊社の働き方改革のツールをお客様にご提案させていただくことは多いです。

 

ー県外進出は考えていますか?

 

私たちの業種では厳しいと思います。よほど特殊な商品を扱ってるとかでないと、後発では難しいですね。近い将来、宮崎県内で営業所を増やす計画はあります。

 

ー同業他社で、後継が見つかるところ、潰れてしまうところの違いはなんだと思われますか?

 

同業他社に引き継ぐなどして、うまくバトンタッチしてるところもあります。業績が下がり始めてから動くのでは遅いので、大きくかけ離れたことはやらないけど、事業の根幹の部分を持ちつつ、本業からの枝葉の部分も広げていかないと常に考えています。

 

時代の流れを見据え、策を練る

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ー20年前に大きく変化をされたように、またここから生き残って行くための手を打たなければいけないということですね。

 

弊社も10年、20年後のことをまた考えなくてはいけない時期に来ていると思います。まだ具体策がある訳ではないんですが、それこそ人口が減れば企業も減るし、官公庁の予算も減り、業界全体のパイが減りますからね。その中でも、常にお客様のことを一番に考えて行動していれば、またいいアイディアが生まれてくると思っています。

 

ーありがとうございました。 

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photo by ワタナベカズヒコ

written by 倉本亜里沙