宮日総合広告 代表取締役社長 大重好弘氏

 


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ーまずは貴社の概要からお教えください。
 
宮日総合広告は、宮崎日日新聞の関連会社です。
イベントの企画や紙媒体の広告の制作など、様々な広告を手がけています。新聞への掲載を主とした広告代理店ですね。
様々な広告媒体が生まれ、個人でも簡単に情報が発信できるようになった現代で、広告の新たな可能性を探るために、街市など地域活性化のためのイベントへは、積極的に協力しています。
 
地域活性化についてのお考えをお聞かせ下さい。
 
地域活性化というのは、そんなに単純な話ではなくて。商店街の活性化を考えれば、空き店舗をそのままにしておくより、意欲のある若い人たちに店舗を提供した方が活気が出ていいのは分かりきったこと。それでも土地の持ち主の方は、昔の価値観でお話されることが多いです。賑わっていた頃の、中央商店街というイメージが抜けないのかもしれません。これから何かにチャレンジしようとする人は、お金を持っていないでしょう。そのために機会を損失させてしまっているようにも感じますね。
イベントをしたいけど、補助金が出なくて、資金不足で、と。みんなそこに行き着くじゃない、やりたいことはあるのにお金はない。助成金補助金が出て、事業として取り組まれているものでも、賞をとったりだとか形に残るものでしか評価がされず、それを是とする人たちもいる。でも本質的な問題の解決にはなっていませんよね。そういった観点でも、根底の意識改革が必要かと。
まさにMUKASA-HUBがそうかもしれませんが、これだけ情報化が進んでいれば、”中央”であるという土地に対する価値感自体を見直すべきだと思います。
 
  

それぞれの感性と、培ってきた信頼をどう活かすか

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ー新聞を読む層に信頼できる情報を提供するために、一番力を入れている部分はどこですか?
 
やはり企画力と、どうアピールしていくかというところですね。
自分の持っている力を出していかないとなかなかものは売れないし、センスを磨いて、相手にどう提案するか。今どういう状態に置かれてるのか、宮崎でなにが起きているのか。感性をそれぞれがブラッシュアップしている、今はそういうところに来ていると思う。さらに今まで先輩方が培ってくれた新聞の企画力と信頼力を提案していって、お互いが、出してよかった、出させてもらってよかった、そういう広告を、ひいては関係性を構築したいと僕は思っています。黙ってて売れてばいいんだけどね(笑)すでにそういう時代ではなくなってきているから。
  
ーMUKASA-HUBについて、どんな印象をお持ちですか?
経済効率だけで考えると、まず減っていくのが学校です。しかしそうして生まれてしまった廃校が、一つの拠点として再生されるというのは、考え方として非常に賛同できます。若者のパワーを呼び込んで、定着していければいいですね。

  

新聞と新しい広告媒体、それぞれの力

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ーウェブのニュースと、活字のニュース、
やはり活字を読まれる方は情報の選別の仕方が違う気がします。
 
やはり本や活字を読む人は賢いと思います。その裏に潜んでいるなにかを読み取る力がある。
本を読む人はそもそも、自分が読むべきだと思うものを”選んで”読んでる。
でもウェブは誰かにとって都合のいい記事から先に流れて来るでしょう。見出しだけ開きたくようなものにして置いて、中身はそうでもないとか。そういうことではなく、正しい情報をきちんと正確に発信したい。それは本質的には僕は変わらないと思う。あぶく銭稼げればいいやというのは嫌なんです。
 
ー新聞がなくなることはあると思いますか?
 
ないと思うよ。電子媒体は非常時にも便利だし、だんだん電子媒体とセットにはなるだろうけど。新聞はどう頑張っても印刷して配るまでタイムラグが数時間はある。だからこそ広告もそうなの。スポンサーにきちんと確認をとれるし、新聞広告に信頼を置いて頂けると思う。新しいものを全く無視するということではなくて、即応性だったり、ヴィジュアル面はやはりウェブやSNSも優れているので、紙と融合した形で活かしたり。色々あるだろうけど。少なくとも軸足はこちら(新聞)だなと。
そして、地域活性化というのは僕らなかなかできないけども、MUKASA-HUBみたいな形で、地域の拠点となる、そしてある程度時間の流れの中でも持ち続けてくれるその地域の中で、そういうものを応援していきたいなと思っています。
 

だから何も東京に住まないと第一線では活躍できないということではなくて、そういう発想の元で地方でも、インフラやネット環境を整え、そして仕事があれば、若者も移り住んで来ることができます。

 
ーMUKASA-HUBに期待されているところはそういった部分でもあるんでしょうか?
 
そうですね。MUKASA-HUBがモデルケースになっていければ、いろんな形の拠点ができてくるのではと思っています。それは町の拠点でもそうだろうし、地域全体が活性化したらあそこって活性化してるよね、なんか元気あるよねって、なっていくでしょう?
初めは誰もが自己資金を使うのに抵抗があったり、即効性みたいなものを欲しがるけど、そういうことではない。はじめ温まるのはその一部だけだよ。でもそのともし火がポツポツと地道に増えていって、だんだんと大きな焚き火になる。そしたらその地域全体が温まっていくでしょう。そこでは考え方として、自分はこうだという考え方を持って、ぶつかって欲しいですね。当たらなかったらどうしようと考えるのではなく、当たらなくてもいいから、自分がバッターボックスに入ります!という若者が増えるといいですね。
 
ーそんな人たちの背中を押すのが私たちの仕事ですね。
お話、ありがとうございました。
 
 

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written by 倉本亜里沙